こんにちは、たつおです
鏡がどうやって作られているかって、簡単に説明できますか?
家の中には、洗面台の鏡、姿見、手鏡などなど、いろんな鏡がありますよね。でも、あなたの家にある鏡の裏面まで実際に見たことは、ないんじゃないでしょうか?
今回は鏡の作り方、鏡の構造が簡単に分かるように解説していきます。
さらに、鏡の裏を削ると透明なガラスになっちゃう!?
という実験も、実際にやってみました。画像付きで紹介していますので、ぜひご覧ください!
目次
鏡の作り方を解説
- 鏡は透明なガラスに薄い銀色のメッキをしたもの
- 作りは「ガラス板+銀やアルミ膜+保護膜」
鏡の基本的な作りは、断面図で見るとこんな感じです!

鏡は、透明なガラス板に、銀やアルミの薄い膜を貼り付けたもの。
ガラス板に、銀色のメッキをした状態です。
鏡に映っている姿は、上の図で言うと、ガラスの奥にある銀やアルミの膜に映っているんです。
表面で反射させる表面鏡というものもあり、万華鏡等に使われます。
今回は、姿を見るための一般的な鏡に限定して、紹介しています。
ガラスに銀のメッキをする方法
ガラスにメッキをするって、具体的にはどういうことでしょう?
簡単に説明すると、こんな感じです。
- 銀の溶けた透明な液 = 薬品①
- 薬品①に混ぜると反応する液 = 薬品②
- 薬品①と②をガラスの片面に吹き付ける
- 洗い流すと、銀だけがガラスにくっついて残る
これは難しい言葉を使うと、銀鏡反応という化学反応を利用しているんですが、よく分からないですよね。
実際に目で見た方が分かりやすいと思いますので、参考動画を貼っておきますね。
鏡は、こんな風にガラスに銀の膜を貼り付けて作っているんです。
実際の鏡の多くは、工場で大量に作られています。
巨大な1枚のガラス板が、ベルトコンベアーの上を横になって流れていきます。
その中で、表面を洗ったり、メッキの薬品を吹き付けられたりして、大きな1枚の鏡になります。
その大きな鏡を小さくカットして、あなたの家にあるような鏡になるんです。
それでは次に、鏡を実際に分解してみて、ガラスにメッキがしてあることを簡単な実験で確認してみましょう。
鏡の表面はガラス?2つの方法で確かめてみよう
鏡の表面がガラスだ、ということを確認してみましょう!
今回使ったのは、こちらの100円均一の鏡。

指先をくっつけてみる
鏡の構造を確かめる一つ目の方法は
鏡に指先をくっつけてみる
上でも書いたとおり、実際に映っているのはガラスの奥にある銀の膜。
鏡の表面に指先をくっつけると、2つのことがわかります。
- 透明なガラスの分だけ隙間が出来る
- ガラスに半透明の指先が映り込む
ちょっとぼけてて見にくいですが、下の画像の爪の先を見てください。

爪は鏡に着いているけれど、鏡に映った爪との間に、ちょこっとだけ隙間があるのが見えるでしょうか?
鏡の表面にある、透明なガラスの厚みが確認出来ます。
そして、爪の先とぴったりくっつく、半透明の指先がダブって見えるはずです。
それが、ガラスに映り込んだ方の指先です。
ガラスの表面は鏡になっていない、ということも確認できますね。
実験 鏡の裏を削ってみる!
鏡の構造を確かめる2つ目の方法
鏡を分解して、銀の膜を削ってみる
それでは早速やってみましょう。
マイナスドライバーでフレームから外した鏡を裏返してみたら、こんな感じでした。

裏面は白くなってるんですねぇ、知りませんでした。
白い紙のような手触りで、当然ですが覗き込んでみても何も映りません。
この白い裏の面が、断面図で見た「銀やアルミ膜+保護膜」の部分。
モデル画像だと、わかりやすいように少し厚みをつけているんですが、実際はとーっても薄いので横から見ても分からないんですよ。
試しに、実際の画像と、私の作ったモデル画像を並べてみます。


ね、全然分かりませんよね。
でも薄ーい薄ーい、金属の膜がちゃんと貼ってあるんです。
しかもこの膜、貼りつけてあると言いましたが、手では剥がせません。
今回は、それを確認するために、マイナスドライバーでちょこっと削ってみました。

角が透明になっているのが分かりますか?
銀の膜が削られて無くなったので、透明なガラスの面だけが残った状態です。
裏の銀色の膜を削ると、鏡はただのガラス板になることが確認できますね!
簡単な鏡を作ってみよう
素人に、本格的なガラスの鏡は作れませんが、近いものならなんとかなるはず!
ということで、作ってみました。
本格的なものではなく、あくまでも鏡っぽい仕上がりにはなります。
ただ、子どもと一緒に出来るようにということで
- 簡単な材料
- 簡単な工程
で、作り方を紹介します!
アルミホイルで作ってみた

材料
- アルミホイル
- アクリルなどの板
- 両面テープ

家にある銀色のものと言えば、パッと思いつくのはアルミホイルじゃないでしょうか?
貼り付ける板は、曲がらない硬いものなら何でも良いですよ。
今回は、無印良品の仕切り板を使いました。
作り方
1.アルミホイルをカット
貼りつけたいサイズより大きめに、アルミホイルをカット
大きめに切っておいて、最後にはみ出した部分をカットする方が、作りやすいです。
長めに引き出してハサミで切ると、歪まずに切れますよ。

2.両面テープで貼り付ける
板の4辺に、両面テープを貼っておく
テープ同士が重ならないようにした方が、多少仕上がりが綺麗ですよ。

3.貼りつけたら完成!
アルミホイルを板に貼り付ける
アルミホイルはテーブルに置いて、板の方から貼り付けていく方が、歪みにくいですよ。

完成品、気になる映りは…
アルミホイルの映りはこんな感じです。

カッティングマットに並べてみるとこんな感じになりました。

姿見的な鏡にはとても使えませんが、至近距離なら文字もそれなりに綺麗に読めますね。小道具で鏡っぽいものを作りたい時や、子どもと一緒に工作するには良いと思います。
ただしアルミホイルが剥き出しなので、ひっかけたりするとすぐに破けてしまうので注意が必要ですよー。
鏡はなぜ銀の膜+ガラスなのか?
鏡が銀の膜+ガラスだということは、ここまで説明してきたとおりです。
それじゃあどうして、この組み合わせなんでしょう?
- なぜ銀色なのか?
- なぜガラス板なのか?
について、簡単に解説していきます。
- 銀は目で見た色と同じ色で、ものを映す
- ガラス板は、スマホの保護フィルム
なぜ銀色を使うの?
鏡で一番重要なのは、銀色の膜の部分。
姿が映るのは、この部分だからです。
ここに、なぜ銀色を使うのかというと
銀色は、色を変えずに姿を映すから
金属のツルツルの面は、それ自体が何色でも大概、姿が映り込みます。
でも赤や青の金属面で鏡を作ったら、鏡に映る自分の顔もその色が混じって映ってしまう。
ところが銀色には、目が感じる色(可視光)を全て反射するという特徴があります。
それはつまり
目で見ている実物と、鏡に映した姿の間に、色の差が起こらない
ということです。
鏡を見るなら、色までそのまま映る方が良いですよね?
だから鏡には銀色が使われるんです。
なぜガラス板なの?
- 錆びたり、傷つくのを保護したい
- 銀の膜を、平らでツルツルにしたい
鏡には銀やアルミの薄い金属でメッキがされている、と説明してきました。
金属はそのまま空気に触れさせていたら、どうなるでしょうか?
汚れや傷がついたり錆びたりして、鏡が見えにくくなってしまいます。
だからスマホの画面保護シートみたいな保護するものが必要なんです。
それからもう一つ。
銀色の膜がきれいな鏡になるためには、表面はツルツルの平らな方が良い。
- ツルツルの平らにしたい
- 表面を保護したい
この2つの条件を叶えるのが、透明なガラス板に貼りつけてしまうという方法でした。
だから、鏡は
ガラス+銀色の膜
という構造になっているんですね。
参考に、私が自作した
ツルツルの平らじゃない鏡
をご覧ください

板目紙に、鏡面シートを貼りつけて、超簡単鏡を自作してみました。くねくねと波打ってしまうので、綺麗な鏡とは程遠い仕上がりなのがわかると思います。
やっぱり鏡は、波打ってはダメ、ということが分かりますね。
まとめ
いかがでしたか?
鏡の作り方について、なるべく簡単な表現で、分かりやすく説明しました。
もう一度、ポイントをまとめておくと
鏡の作り方と構造
- 鏡はガラスに銀のメッキをしたもの
- 「ガラス板+銀やアルミ膜+保護膜」で出来ている
鏡はなぜ銀色をつかうの?
- 銀色は実物と色が変わらずに映るから
鏡はなぜガラス板を使うの?
- 銀色の膜をツルツルの平らにしたい
- 銀色の膜を保護したい
- 透明なガラス板なら同時に叶えられるから
こんな感じになります!
身近でも、実は奥深い鏡の世界。
ぜひお家の鏡に指先をくっつけて、横から覗いてみてください。
それでは、お付き合いいただき、ありがとうございました。